ヌーベル・キュイジーヌで30代の門出を祝う


昨夜、じょにおの誕生祝いに、食事をしに行った。昨年はLa Table de Joel Robuchonに行って、今年はあちこち考えた挙句、じょにおが30歳になったので、もう少し冒険をということで、Cuisine[s] Michel Troisgros(キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ)に行った。La Tableもとてもよいレストランだが、Joel Robuchonのレストランの上階にはさらに格調高いガストロノミー・ジョエル・ロビュションがあるのに対し、ミッシェル・トロワグロはハイアット・リージェンシー内にあるフラッグシップレストランだ。

これは5月30日の0時きっかりにあげた薔薇の花30本。買ってきて時間まで隠しておくのに苦労した。(笑)
これは5月30日の0時きっかりにあげた薔薇の花30本。買ってきて時間まで隠しておくのに苦労した。(笑)

さて、ハイアット・リージェンシーには、ものすごく久しぶりに行った。大学受験の時、まだセンチュリー・ハイアットの名前だった時に泊まって以来だ。建物自体には年季を感じるが、ミッシェル・トロワグロはとてもモダンな佇まい。

食事は素晴らしかった。レビューを書いておいたので、料理の方はそちらを参照。シャンパーニュはこのブログ内でいろいろ書いてきているので、ここに書こうと思う。ミッシェル・トロワグロはヌーベル・キュイジーヌの店なので、ミシュラン2つ星でかつハイアット・リージェンシーのメインレストランという位置づけではあるが、自由なスタイルが特色。なので、食前酒→白ワイン→赤ワインとオーダーするところ、食前のグラスシャンパーニュと、食事を通じて楽しめるシャンパーニュをボトルでオーダーし、シャンパーニュディナーにすることにした。

まず食前にはユリス・コラン(だったと思う。実は、その後のシャンパーニュが素晴らしくて、印象も名前の記憶も薄くなってしまった)。→De Sousa & Fils Brut Traditionだった。あー銘柄覚えてなくて恥ずかしい。グラスでオーダーしたが、我々がその日初オーダーだったのか、新しくボトルを開栓してもらった。泡立ちはとても勢いがよく、トースト香と爽やかな風味で、食前酒向き。色も明るめ。

グラスでまずは食前のシャンパーニュを。
グラスでまずは食前のシャンパーニュを。

そして、次のコース用シャンパーニュが良かった。コースを通じて飲めるシャンパーニュとなると選択が難しいので、ソムリエと相談。勧められた2本のうち、柑橘系の香りよりもベリーのような系統の香りがするという、Egly Ouriet Grand Cru Blanc de Noir(エグリ・ ウーリエ グラン・クリュ ブラン・ド・ノワール)にした。エグリ・ ウーリエは、フランスベストワインガイド2008でボランジェ、クリュッグ、サロンと並び3つ星を獲得し、大変注目のシャンペンメゾンなのだそう。(それは後で知った)

エグリ・ ウーリエだが、ソムリエの話によると、シェリーのような重厚な甘くコクのある味わいと、熟す前の白いいちごの匂い(熟したいちごよりもみずみずしい感じ)がするという。飲んでみると、たしかにそれらが感じられる。そして、ブラン・ド・ノワールらしい力強い感じ。繰り出される料理の数々の独創性とともに渡り合う存在感で、しかし料理と調和していて、飲み飽きない。後半、やや泡が落ち着いてきてからはふくよかに変化し、いいシャンパーニュを味わうことのダイナミズムを感じさせてくれた。

サーブされたのでボトルの写真は撮っていない。ミュズレはもらってきた。
サーブされたのでボトルの写真は撮っていない。ミュズレはもらってきた。

◇ ◇ ◇

……とまあひとしきりスノビズムを展開したところで、じょにおだが、やっと30歳なのだ。これから人生が花開くに従い、きっとますます上昇気流に乗って進んでいくことと思う。俺とは14歳も違うわけなのだが、(俺の誕生日は11月なので、今は13歳違い)ライフスタイルを築くことについては、いろいろ俺から学びとっていって、そのうち追い抜かれることもいろいろあるだろう。中には既にじょにおの方が長けていること・素晴らしいこともたくさんある訳だが。(人間的にできていることでいうと、じょにおは先を行っているどころか、俺とは正反対ですらある)

体力的なことに関してもそうだ。ジムには、両方仕事のある日などは一緒に行っていて、ワークアウト方法も伝授しているが、もともと体格に恵まれているじょにおがそれだけ若いとなると、俺を追い越すことは少なくともその面では確実だ。今はまだ、「まだまだ若いもんには負けやせんて…」のノリで(笑)俺も追い越されまいと頑張っている。

同性のカップルだと、パートナーはライバルでさえもあり得る。俺は意外に負けず嫌いなところがあって(と、この間じょにおに話したら「今頃何言ってんですか?!」と言われた 笑)いろいろなことをハイレベルに持っていこうとする傾向があるが、じょにおについては、俺を追い越してくれることがあれば、素直に嬉しいと思う。そのあたり、もっと噛み合いにくい性格の男だと、こちらも妙に対抗心を燃やしたりするだろうけれども、そうした意地の張り合いではなくて、お互いに高め合っていける気がする。それは、お互いに尊敬できる存在であるし、相手のことを大事にしている気持ちがあるということを、お互いに認識しているがゆえに可能なのだろう。じょにおにはこれから勢いのある30代を迎えて、もっともっと大きくなっていってほしいものだ。じょにお、おめでとう。俺もまだまだ先行くぜ!