Home Furnishing キッチンボードへの長い道のり(前編)


これは、home furnishingのための長い苦闘の物語である。これからダイニングキッチンを整備しようという人もいるだろうから、参考になればと思い、書いておく。

買う前提

スチームオーブンレンジを買った話は前に書いたが、それまで「とりあえず」の感覚でレンジ台として使っていたワイヤーラックが、心もとなくなった。その前に使用していたオーブンレンジは、まあまあの収まり具合であったのだが、サイズが大きい新レンジは、ワイヤーラックの幅いっぱいいっぱい。しかも新レンジはラック下に収納している食べ物よりも重いので、頭でっかちになっていて、安定性に不安がある。加えて、前のレンジの時には、ラックを使ってレンジの上に炊飯器を置いていたのが、新レンジではスチームを退避しなければならないので、上に炊飯器を置けなくなって、その左にある収納ワゴン(後述)に置くようになった。

んー。



収納買うか。(笑)

うちは、じょにおが賃貸マンションに一人暮らしだった頃に使っていた物と、俺が同じくそうだった頃に使っていた物を持ち寄って今のマンションに暮らし始めた。2人とも割とそれなりの物を持っていたし、その後あれこれ買っているので、寄せ集めには見えないかもしれないが、基本は持ち寄りで、「そのうち変えよう」という所がいくつかある。このレンジ台として使っていたワイヤーラックは、もとはじょにおが使っていた物で、変えたい順位が高い箇所だった。というのも、ワイヤーラックゆえに、下に収納してある物が見えていて、ゴチャゴチャしていたからだ。隠す収納をして、すっきりさせたい。

従来のダイニングキッチン。レンジ買い替え前。
従来のダイニングキッチン。レンジ買い替え前。
レンジを買い換えたらワイヤーラックギリギリに。
レンジを買い換えたらワイヤーラックギリギリに。

さらに、この周辺はコンセントの問題がある。コンセントが従来のレンジの上1箇所のみ(2口)なのだ。恐らく、このレンジのある場所に本来は冷蔵庫を置いて電源を取ることが想定されているのだろう。しかし現状、離れて横の壁面にある冷蔵庫、下にあるレンジ、そして炊飯器にそこから電源を取っているものだから、コードが見えるのが気になる。このスペースの右、上の写真でロールカーテンが下りている所には、台所裏にあるバルコニーへの扉があるのだが、そこはほとんど使っていない。

もう1つ言えば、このレンジ台の隣には、俺が持ってきたキャスター付の収納ワゴンがあって、たまたまシステムキッチンの高さと合っていて、収納スペースが必要だったこともあって使っていたが、このワゴンの上板は木目調のパネルで、ちょっとそぐわない感じだし、(それに「調」というのがイヤ)引き出しは半透明のプラスチック樹脂で中身が見え隠れするし、質感も気に食わなかった。そんな様子で、変えたい変えたいと思っていたところ、レンジを買い換えて、ここをガラっと変える大義名分ができた訳だ。(笑)

平面図にするとこんな感じ。それぞれが凸凹していると、結局一番でっぱった所が可動範囲の限界になる。
平面図にするとこんな感じ。それぞれが凸凹していると、結局一番でっぱった所が可動範囲の限界になる。

購入品調査

この話は、噂の鬼の財務大臣からすんなり認可が下りた。というか、むしろ言いだしっぺは財務大臣。そこでさっそく、リサーチを開始した。ダイニングキッチンで、壁面収納で、システマチックな物で…。食器棚という呼称だと、思い描くような物がリストに出てこない。手間取ったのは、恥ずかしながら「キッチンボード」という呼称を知らなかったから。しかしほどなく見つける。次はメーカー。どうやらキッチンボードなる物を調べる人も手間取るようで、検索候補を見ると、「キッチンボード ikea」「キッチンボード 引き戸」「キッチンボード ニトリ」「キッチンボード 激安」等々。IKEAはテイストが違うし、基本自分で組み立てなんてノー。面積の大きい所で自己責任だなんて。「ニトリ」、「激安」はスキップ。で、いろいろバッと縦覧するために楽天で見て、まあまあ良さげなのは、綾野製作所パモウナという所のだと知る。

そしてキッチンボードを選ぶもう一つのポイントは、「隠す収納」であること。どうも食器棚というと、スライドの棚が付いていて、そこが半透明になっていて、あれがあると何とも所帯じみると思い、隠す収納にすることは、念頭にあった。「ドラちゃ~ん、戸棚にどら焼きあるわよ~」みたいなのは、避けたかったのだ。

(画像に一部処理をしてあります)
(画像に一部処理をしてあります)

ところが、大体キッチンボードを見ると、ドラちゃん戸棚が付いている。実物を見に行って確かめてみるかと、インテリアショップを数軒見たが、ドラちゃん戸棚のある物がほとんどで、そこが不透明な物はあったが、ドラちゃん戸棚にソフトクロージャーやダンパーが付いているものはなく、きっちり閉めようとすると、例外なく「ガン!」とか「タン!」とか不快な音がする。これはダメだ。となると、消去法的に候補は少なくなってき、パモウナの中で、上置きのすべてが扉であるシリーズにすることにした。

店舗で購入

さて、次は購入。パモウナでは直販をやっておらず、他のネットショップでは販売されているが、こういうのは設置が必要なうえ、天井までの棚をオーダーするとなると、実測をやってくれるのかとか、シリーズごとに異なるオプションはどうなるのかとか、設置時に万一不具合が生じた場合の保証はとか、不安材料が多々ある。そんなことに煩わされたくなかったので、ネットよりは多少高くなるかもしれないが、取り扱っている実店舗に行って買うことにした。販売店舗を検索すると、うちから車で15分ほどの所にある島忠にあるとのことで、じょにおが休みの平日、俺が会社から帰ったらそのまま待ち合わせて島忠へゴー。「ドラちゃん棚がイヤ」と言っても、行く場所は庶民的である。(笑)

目当ての物はすぐ見つかった。平日の閉店1時間前ともなると、家具売り場に人はほとんどいない。で、店員を呼びに行く。うちでは重要な決定事や渉外は何故か俺がやるので、たまにはじょにおにやってもらおうと、じょにおが声がけする。そこで男性店員(推定20代後半~30代前半)が来たのだが、

じょ:「これなんですけど」
店員:「・・はい」
じょ:「オプションをつけようと思うんですが」
店員:「・・はい」

と、店員の反応がシンプルすぎる。そういうのが嫌いなじょにお、見る間に気色ばむ。が、わざわざ来てまた買う場所を変えて…となると大変。そこで、俺が急遽バトンタッチ。1問1答で、質問事項をして答えがあると「へ~、そうなんですかあ!」「なるほどねえ!」と受け答え。「あなたの仕事は役に立っているんですよ」と自覚してもらって、やる気を促す作戦。かつ、こちらからは要点を明確に、しかし言葉遣いは丁寧に。ホームセンターの家具売り場担当となると、普段敬意を払う扱いを受けていないことがままあるだろうし、そういうことで接客態度が硬くなっているのだろうな、と思い。

と、予想通り、話すに連れて店員も打てば響くようになってきて、あれこれ丁寧に調べてくれるようになった。根は真面目でいい人らしい。じょにおが怖いから緊張していたに違いない、うんうん。オプションの要否・搭載の可否を確認して、部屋の設置場所の採寸を頼むと、閉店時間を超えるが、今日のうちに来てやってくれるという。で、値段を聞いて、「まあこれならいいか」という程度だし、配送設置と不用家具の引き取りもオプションで頼めるので、決定。会計をして、後でうちに来てもらうことにして、先に帰宅。店員さん、「なるべく早く参りますんで」などと言ってくれる。もしネット販売の店舗でここまでにこぎつけるとなると、顔の見えない相手と何通もメールを往復することになり、手間も時間もかかると思われる。やはりこういうことは実店舗が強い。

帰宅してほどなくし、電話がかかってき、その店員が家に来て採寸。0.5mmまで測り、オーダーシートは書いておいてくれて、配送日の確認は翌日電話とのこと。翌日電話が来て、通常納期2週間だが、たまたま10日程度で可能らしく、10日後の日曜日に配送を依頼する。配送時間の指定を聞くと、通常は事前指定できないが、希望があるなら伝えてくれるというので、午後に頼む。最初は「もしもし?」という感じだったが、最終的にはフレキシブルな対応をしてくれるし、丁寧で快活だしで、その有様を見ていたじょにお、「人を使う時にはどうすればいいかを身をもって知りました」と。(笑)人のやる気を引き出すには、いろいろやり方ってものがあるんだよなあ。(後半に続く