ブックレビュー 平野啓一郎

滴り落ちる時計たちの波紋 (★★★★☆ 星4つ) 久しぶりに平野啓一郎の本を読んだ。語彙力・実験的組み立て・小説好きを満足させるレトリックなど文句のつけようがない。面白いのは、いずれもどこかsyntheticなところ。こ…

小説『クラブロンリー』第6章[竜人]

小説『クラブロンリー』第6章[竜人]

(第5章[QUICK 5階]から続く) 「実は次に電話をかけるまで待てなくて、ついてきた。」 竜人は便所の個室を出ると、隣り合った洗面台で手を洗いながらそう言った。冬の水の冷たさが辛いが、石鹸を洗い落とすまで堪えた。こん…