たまにロゼを飲みたくなる時があって、しかしそういう時には注意深く選ばねばならないと思う。何故なら、時々ロゼシャンパーニュのレビューの時には触れているが、味が赤ワインの風味を持っていてシャンパーニュらしさが今ひとつというも…
月: 2018年4月
Golden (2018) (★★★☆☆ 星3つ) BMGから出たアルバム。基本的にカントリー調のポップアルバムで、ホリデーアルバムでないスタジオアルバムは”Kiss Me Once”以来4年ぶり…
滴り落ちる時計たちの波紋 (★★★★☆ 星4つ) 久しぶりに平野啓一郎の本を読んだ。語彙力・実験的組み立て・小説好きを満足させるレトリックなど文句のつけようがない。面白いのは、いずれもどこかsyntheticなところ。こ…
(第8章[QUICK]から続く) 次の土曜日。DRAWSTRING BARのドアを開けると、入口すぐのテーブルに、竜人をここで初めて見かけた冬の夜、一緒に来ていた2人がいた。話をしたことはなく、いつものように、するような…
(第7章[MYKONOS LOFT 噂]から続く) 受話器をフックに戻しても、外のサイレンは続いていた。QUICKのビルにまで入り込んでくるということは、かなりの台数なようだ。しかし、特にQUICKの中で何かが起こってい…
(第6章[竜人]から続く) 妙な噂を流すもんじゃない、と、俺がヒロシを叱ったのは、そろそろ4時を回るかという頃だ。俺とヒロシは、何となく人の入りが悪いので気分が乗らず、コロナのボトルに櫛切りのライムを押し込んでは飲んでい…
(第5章[QUICK 5階]から続く) 「実は次に電話をかけるまで待てなくて、ついてきた。」 竜人は便所の個室を出ると、隣り合った洗面台で手を洗いながらそう言った。冬の水の冷たさが辛いが、石鹸を洗い落とすまで堪えた。こん…
(小説『クラブロンリー』第4章[竜人]から続く) 政次をそのままにして、俺は5階に上ることにした。この時間ではまだ本格的には始まっていないはずだ。Ten Cityのライブは2時からの予定だし、5階を一回りする位の時間はあ…
(クラブロンリー 第3章[QUICK メインフロアー]から続く) 竜人を初めて見たのは、俺がDRAWSTRING BARに通い始めて、まだ1ヶ月もしない冬だった。雨の木曜日。司法試験の勉強に飽き飽きしていた俺は、週末を待…
(第2章[MYKONOS LOFT]から続く) QUICKのメインフロアーはMYKONOS LOFTに比べると広大だ。階段から数歩出たところで、全貌は見えない。5階まで吹き抜けになった空間を支える幾本かの柱の間を、ライテ…